「竜とそばかすの姫」を見に行った感想。

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映画

映画感想六回目です。
8/1に観賞してきました。
夏休みなせいか、劇場のフロントにめちゃめちゃ人がいました。
こんなに映画館がにぎわる所を見るのは久しぶりなくらい。
竜とそばかすの姫を放映するスクリーンもかなり人が入っていました。

今回の記事は「作品の根幹にかかわる、
盛大なネタバレが含まれているので、大丈夫な方のみお進み下さい
」。

細田守監督作品について

「時をかける少女」は金曜ロードショーで、
「サマーウォーズ」から「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」
「未来のミライ」は映画館まで足を運んで観賞しました。
古くからは「デジモン」の映画にも携わっていて、
どちらかというと好きな監督さんでした。
ただ 「未来のミライ」 が自分の中で凄いマイナスに働いた作品で、
次回作は事前情報を見てから映画館で見に行くのを決めようと思っていましたが、
「竜とそばかすの姫」はネットをテーマにしている所やミュージカルは割と好きな方だったので、結局、事前情報無しで見に行きました。

簡単なあらすじ

インターネット上で有名な歌姫になった主人公の少女すずが、
インターネット上で忌み嫌われる竜と出会い、影響を受け、
竜を救うために立ち上がるすずの成長を描いた作品です。
すずの母親は、過去に幼児だった頃のすずの静止を振りきって、川の氾濫に巻き込まれた見ず知らずの子供を助けたが為に亡くなっており、すずは「何故自分を置いて見ず知らずの子供を助けたのか」という事を思い悩み続けているという事情があります。

以下重大なネタバレ↓↓

画像は間隔空けです。
某劇場で撮影。


竜の正体・作品のテーマ

竜の正体は親から虐待を受けている少年
作品の主軸は虐待を受けている子供を救うというお話になっています。
すず自身が見ず知らずの子供を救うために行動を起こす事で、亡くなった母親の感情に気が付くというのが物語り全体のテーマになっていると思いました。

良かった点

音楽の魅力が非常に高く、すずのアバターであるベルが、世界中で人気を博しているという事に説得力がありました。好みはあると思いますが、自分は凄い良かったと思います。
CGも手描きの部分の作画も素晴らしく、ディズニーっぽい描写もあり(今作はディズニー映画の美女と野獣を意識しているとのこと)、国際色は豊か、キャラクターデザインも分かれているので、様々な演出や作画を楽しむ事が出来ます。
最初の頃のすずは、ずっと母親の死を引きずっていて、現実世界で歌えず、うじうじしているのですが、徐々に感情豊かになり喜怒哀楽を表に出すようになるので、見ている側は感情をゆさぶられます。ちゃんと思い悩んでいる所が本当に良い。
物語の主軸となる児童虐待というテーマは、初見ではまずわからないので、
サスペンス的な驚きも強いです。
しかも声優に詳しい人を意識(対策)してか、竜の正体がわかるまで、少年の方のセリフを作中に入れないという(多分無かった)徹底ぶり。これはわかってるなと思いました。
話の展開が早いけれど、時間をたっぷり使っている部分もあり、緩急のつけかたが絶妙
子供達(竜の中の子供と一緒にいる子供)が虐待されている所を、
ユーチューブのようなコンテンツで視聴するシーンがあるのですが、
そのシーンがとてもリアルで、視聴者数が数人というヒリヒリした独特な緊張感が上手く表現されていてスクリーンに引き込まれました。この辺りはホラーテイストになっています。
その後、人間不信になっている子供達を助ける為に、すずがベルのオリジン(中の人)だと明かす為、大勢の人達の前で本当の姿を晒して歌うシーンが本当に感動的でした。母の死、母の行動を理解し、虐待を受けた少年達に会いに行って、相手の父親の暴力から身を呈して少年達を守る姿も勇ましかったです。Uでは影響力の凄まじい少女(ベル)と虐待を受けている少年(竜)が、現実世界では虐待する親に対して無力な存在であるという対比も面白いなと思ってスクリーンに釘付けになってました。
エンディング曲も良く、満足感の高い作品だったなと思います。

悪かった点

悪いと思った所は特に無かったです。
捻り出して言うとすれば、児童虐待をしている男親の元にすず一人で行かせた部分
合唱団の奥様方が、駅まで車を飛ばし、すずを送り届けるのですが、
すずの意向という事で一人で行かせます。
この辺りは賛否が分かれると思われます。
ただ、奥様方がついて行くとまた微妙なシーンになっていたと思うので、迫力のあるシーンを魅せる為には採用された方で良かったと思います。
それと細田監督作品でよくある、親族の死。特に理由もなく、主人公を孤立させる為に亡くなってるケースが多いですが、竜とそばかすの姫では、母の死が、すずの行動起点において重要な部分となっているので、今回の場合は死の理由に納得が出来ます。監督自身はあまり死を描きたくないとの事ですが(ハウルの動く城の一件と親の体調不良が重なって当時大変だったそう)、身近な親族の死を経験した事もあり、作中、主人公の身近な家族の死を描く方が、主人公に共感できるから、そういった死のシーンが多いのかもしれません。
他に主人公すずの演技力は若干気になりますが、演じられてる方の本業は歌で、
演技初心者であれだけ演じられるのはむしろ凄い。そしてすずの役と合っている
まとめるとやはり悪いと思う所が無かったです。

この映画をおススメする人

ミュージカル映画が好きな人。音楽が好きな人。
SF(ネットを扱った作品)が好きな人。親から虐待を受けた子供を救う話が好きな人。

ソウルイーターという作品でも虐待を受けた(魔女の)子供を救う話があって、
この手の話に自分は弱いんだなぁと改めて思いました。親子のテーマは普遍ですね。

おススメしない人

機会音痴な人。恋愛ものかと思ったら、違うテーマだったというのが苦手な人。

ネットよく扱う人なら共感出来たり、あるあると思うシーンが多く、ネットをよく利用しない人は物語の展開が早すぎてわからない部分が多々あったように思いました。
ジュネレーションギャップというか、ネットに否定的な人には不向きな内容です。
ベル(すず)の正体を晒す行為をするネット警察のようなキャラがいるのですが、
そのキャラがベルに危害を加えた事で、多くの会社からスポンサーを外されるシーンがあって、そういう小ネタに気がつけば面白いシーン沢山あるんですよね。
一々説明を挟まないので、それがわからないと物語の半分ほどしか楽しめません。
恋愛要素はありますが、本元は児童虐待をテーマにしているので、恋愛ものかと思って見に行くとこれじゃない感を覚えると思います。

まとめ

★★★★★

星5段階評価で星5です。
久しぶりに凄い良い映画を見たなと思いました。
エヴァも良かったですが、エヴァは今まで積み上げたものが多く、単純な比較は出来ない感じでして……竜とそばかすの姫は単体でとても高いクオリティなので、ある意味エヴァと違うベクトルで凄いと思いました(様々な分野で最高峰のスタッフを集めて制作しているという共通点はある)。
作画良し。シナリオ良し。演出良し。キャラ良し。音楽良し。
ミュージカル映画って音楽は良いけど、シナリオは何でも愛で解決してしまって、
シナリオがおざなりになってしまう作品が多かったりしますが、
本作はミュージカルとサスペンス的なシナリオが上手くかみ合っています。
余計な事を言ってしまうと前作と同じ人が作ったとは思えないくらい……未来のミライの100万倍良かったです。未来のミライは監督のお子さん向けに作られたといっても過言ではないので、そもそも大人が見て楽しめるものではなかったのかもしれません。
監督かプロデューサーの意向かはわかりませんが、「未来のミライ」は「となりのトトロ」や「崖の上のぽにょ」辺りのジブリ作品を意識して作ったんじゃないかと思います。
しかし、細田監督作品の場合は上手くそれがはまらないんだと思います(一方で千と千尋のオマージュ? ……的な部分は良かった。竜と美少女とはいえない少女が主役。竜を電車に乗って助けに行く展開が似ている)。
やっぱり、細田監督はネットをテーマとして作るのが十八番なのだと感じました。
「時をかける少女」からの六作品の中で「竜とそばかすの姫」が一番良かったです。
音楽の力が強く、中毒性を秘めているので、はまる人はリピーターになっちゃいますね。
オチがわかっていても、あの壮大な音楽を巨大スクリーンでまた見に行きたくなる魔力がある作品になっています。
多分この作品が合わなかったら、根本的に細田監督の作品と相性が悪いのだと思います。
良し悪しや相性の基準も含めて、少しでも興味があれば見に行って損は無い作品です。

また違うテイストで三年後に新作が出来ると思いますので、
楽しみに待っていようと思います。
本作は本当に素晴らしい出来だったので、
時間があればもう一回見に行こうかと思っています。